人種差別について考えるとき、私たちの多くは暴行などの身体的な攻撃をまず思い浮かべます。しかし差別行為はそれだけではありません。
人種差別について考えるとき、私たちの多くは暴行などの身体的な攻撃をまず思い浮かべます。しかし差別行為はそれだけではありません。
少数集団や民族に疎外感を与える言動は「マイクロアグレッション」と呼ばれています。何気ないものが多く、初めは小石を踏んだくらいの不快さしか感じないかもしれません。
Cats are great
でもそれが度重なるとどうでしょう。小石が征服しなくてはならない山になり、出身がどこであろうと、白人でなければよそ者なのだという強力なメッセージが立ちはだかってきます。
本ウェブサイトは、この山に立ち向かうためのツールをお届けします。
自分に対し、あるいは周辺でマイクロアグレッションが起きていることを認識する必要があります。これらは私たちのコミュニティで起きている差別の実話です。
韓国系カナダ人でバンクーバーに住むケイトは近所の食料品店で、他の客が息子に「COVID-19をうつされるから (ケイトの)後ろに並ぶな」と言っているのを耳にしました。1週間後には同じ店でレジ係に「休憩するので」と応対を断られました。ケイトは気まずく思い、戸惑いました。
バンクーバーに住むグレースは、同じような職歴を持つ就職希望者と同時にコーヒーショップに採用されました。その新人は白人で、採用翌日にはコーヒーの淹れ方を教わりましたが、グレースにはそうしたトレーニングをしてもらえず、2ヵ月というもの清掃や下準備のみをさせられました。屈辱を感じ悔しくもあり、落ち込みましたし、本当に自尊心を傷つけられました。
中国系エチオピア人の学生でラングレーに住むクリス。担任教師によく髪を触られ、髪質についていろいろ言われるので、クラスでも浮いた存在のような気にさせられました。その教師は他の生徒にはそうしたことは決してしませんでしたから、疎外感を感じ、困惑もしました。その学校では有色人種は少なかったので特にです。
レベッカは永住権があり、サレーの近所付き合いの多い場所に住んでいます。中国人家庭は2世帯しかありません。レベッカは近所の人々との付き合いに努め、しばしば季節の贈り物などもしていますが、カナダデーのバーベキューにはどちらの中国人家族も呼ばれませんでした。人種差別による排除なのかとも思え、ご近所の一員にはなれそうもなく感じました。
些細に思えるものもあるかもしれませんが、当人にとっては毎日のことであり、少数派にとっては自分たちが下位にあることを思い出させる、権力者側の言動です。
こうした言動を何とも思わない人もいますが、マイクロアグレッションと感じる人もいます。だからこそ、その言動がどうした状況でなされたかが非常に重要です。
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調査の結果、同じアジア人でも移民より、カナダで生まれた人のほうがマイクロアグレッションで傷つきやすいことが分かりました。カナダ社会では平等と受容がいかに重要かを教えられてきたからです。
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カナダ生まれか、もしくは人生の大半をカナダで過ごしたアジア人は、マイクロアグレッションによって疎外感を持ち、非常に傷つく可能性があります。長期的には自信を損ない、メンタルヘルスを損なうことにもなりかねません。
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この繰り返しを防ぐためには、マイクロアグレッションにどう対応し、家族や大切な人々とどう話し合っていくかを学ぶ必要があります。
本パックは生まれた国も、人種差別に対する認識も異なる、複数世代に渡る家族のために作成したものです。本ウェブサイトとともに活用し、マイクロアグレッションとその対応方法、家族との話し合いの仕方を認識し、学ぶことに役立ててください。